2021年05月27日
東北大「方向によって明るさが変わる磁石」開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

東北大学金属材料研究科の宮坂等教授ら研究グループは26日、眺める方向によって明るさが変化する磁石材料の開発に成功したと発表した。二次元有機・無機ハイブリッドペロブスカイトで、キラル分子を用いて、反転心を持たない磁石の材料設計に成功した。

身の回りにある磁石が出すような弱い磁場で、眺める方向により明るさが変化する機能を発現させることができる。

有機・無機ハイブリッドペロブスカイト系化合物は、比較的低温・簡便なプロセスでの合成が可能な上、優れた太陽電池材料としての光学特性を示すため、新しいフォトニクス材料として注目を集めている。

これまで、この材料の光機能の開拓は、磁性を持たない化合物のみに限定されていたが、磁性を持つ化合物に目を向けることで、光と磁性を結びつけるような新しい光機能の創出も期待できる。

同研究成果は、ドイツ化学会誌「Angewandte Chemie International Edition」5月24日付に掲載された。


<用語の解説>

◆二次元有機・無機ハイブリッドペロブスカイトとは : 有機・無機ハイブリッドペロブスカイトの類縁体の層状化合物のこと。無機層と有機アンモニウム分子カチオンからなる有機層が交互に積層した結晶構造となっている。
◆キラルとは : 図形や物体が、その鏡像と重ね合わすことが出来ない性質(キラリティ)をもつこと。右手と左手の関係があること。


ニュースリリース参照
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv_press20210525_03web_oihp.pdf