2021年05月28日 |
東北大と慶応大、ALSの新しい病態因子発見 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東北大学、慶応大学 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、全身の運動や呼吸に必要な筋肉がやせて弱っていく疾患だが根本的な治療法がなく、病態解明が求められている。東北大学大学院 医学系研究科の青木正志教授と慶応大学 生理学教室の岡野栄之教授らの研究グループは28日、ALS患者の脳・脊髄に蓄積するTDP-43タンパク質を産生するTARDBP遺伝子について、変異を持つ家族性ALS患者から新しい遺伝子PHOX2Bを発見したと発表した。 モデル動物(ゼブラフィッシュ)を使ってPHOX2Bの発現を抑制すると神経突起長が短縮し、運動機能の低下が認められた。 PHOX2Bの発現を人為的に抑制すると、健常者iPS細胞由来の運動ニューロンの神経突起の長さが減少した。ゼブラフィッシュでは脊髄運動ニューロン軸索の短縮と運動機能の低下も起きた。ALSにおいて運動ニューロンが選択的に変性するメカニズムの一端がPHOX2Bの発現減少で説明できると考えられる。 本研究成果は5月27日、オープンアクセス学術誌「Stem Cell Reports」に掲載された。 |