2021年05月31日 |
東北大、不明だった微小血管狭心症の実態 解明 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東北大学 |
東北大学大学院 医学系研究科の下川宏明客員教授(循環器内科学)らの研究グループは、これまで不明な点が多かった微小血管狭心症の実態を解明したと発表した。 研究グループは、国際診断基準により微小血管狭心症と診断された患者を世界7カ国14施設から合計686名登録し、その臨床像や長期予後について調査した。 胸痛や心電図異常から狭心症が疑われたため心臓カテーテル検査を受けた患者の約4割は、冠動脈に明らかな狭窄や閉塞病変を有さないことと報告されてきた。 今回調査の結果、これまで主に女性の病気と考えられていた微小血管狭心症は男性にも認められた(男女比=約2:1)、また、年間の心血管イベントの発生率が約7.7%と決して良性の疾患ではないこと(予後に性差なし)、女性患者は、男性患者と比べて、症状による生活の質( QOL)の低下が顕著なこと、欧米人患者はアジア人と比べて心血管イベントの発生率が高率だが危険因子等で補正すると人種差が消失すること、などが明らかになった。 同研究は、診断方法や予後予測因子が未だ確立されていない微小血管狭心症の臨床像、長期予後を国際共同研究で初めて明らかにした重要な報告であり、新たな治療法の開発につながると期待される。 同研究成果は、5月27日、「European Heart Journal」誌(電子版)にオンライン掲載された。 ニュースリリース参照 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20210527_01web_angina.pdf |