2021年06月10日 |
北大、オホーツク海の河川水量と気候への影響調査 |
【カテゴリー】:環境/安全 【関連企業・団体】:北海道大学 |
北海道大学大学院 低温科学研究所の三寺史夫教授らの研究グループは、ロシア科学アカデミーのヤロスラブ・ムラビヨフ博士らと共同で、ロシア連邦水文気象環境監視局が管理する河川流量データを用いて、カムチャツカ半島から周辺海域に流出する河川の全流量を推定し、河川流量とオホーツク海の高密度陸棚水形成海域の表層塩分に関係があることを見出したと発表した。 カムチャツカ半島の全河川から周辺海洋に流出する河川流量の算出に成功した。 海洋に対する河川水の割合はわずか0.003%に過ぎず、河口域や沿岸を除くと海洋に対する河川の影響はこれまで限定的と考えられていた。 同研究は限られた地域の河川流量が半球規模の海洋循環に影響を与える可能性を示した貴重な成果といえる。 オホーツク海のオーバーターニング(鉛直循環)は,北太平洋の海洋循環を通じて気候への影響だけでなく、栄養塩の循環をも駆動し、オホーツク海や親潮海域の生物生産にも大きく関わっている。 同研究は、オホーツク海のオーバーターニングの機構解明や予測に新たな視点を与えたと評価される。陸-海結合システムに新たな視点を追加した。 同研究成果は5月24日公開の「Journal of Hydrology: Regional Studies」誌にオンライン公開された。 ニュースリリース参照 https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/210608_pr.pdf |