2021年06月11日
デンカ、世界初・悪性抗がんウイルス剤承認
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:デンカ

 デンカは11日、東京大学 医科学研究所の藤堂具紀教授と共同開発したがん治療用ウイルス製剤G47Δ「デリタクト」(一般名:テセルパツレブ)」について、同日、第一三共が製造販売承認を取得したと発表した。
 デンカは第一三共から委託を受けて、五泉事業所(新潟県五泉市)で同製品を生産する。

 同剤は、藤堂教授が開発した単純ヘルペスウイルス1型 (HSV-1) を遺伝子改変したがん治療用ウイルス製剤で、今回、悪性神経膠腫を対象に世界で初めてがん治療用ウイルス製剤として承認を取得した。

 ウイルスそのものを製剤化しており、商用生産には、大規模なウイルス培養技術や特殊な試験技術が必要となるが、長年にわたるワクチンやウイルス検査試薬の開発・製造技術やノウハウが支えとなった。

 同社は、同製品の商業生産を通じて、アンメット・メディカル・ニーズ(未だに有効な治療法がない医療ニーズ)の高い悪性神経膠腫に新たな治選択肢を提供することになる。

同社はこのがん治療用ウイルス製剤の実用生産を実現するため、2015年に約20億円をかけて五泉事業所にウイルス製剤の生産に必要な建屋建設と設備を導入、2017年10月の竣工を経て、今回の製造承認にこぎつけた。2021年度の同社連結業績への影響などは精査中。


ニュースリリース参照
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1623394126.pdf


(参考)
◆デンカ :過去の関連リリース
・2015 年5 月12 日 「がん治療ウイルス製剤「G47Δ」実用生産の開発受託に関するお知らせ」
http://www.denka.co.jp/news/pdf/20150512_G47.pdf
・2016 年7 月21 日 「がん治療ウイルス製剤「G47Δ」製造設備建設に関するお知らせ」
http://www.denka.co.jp/news/pdf/20160721_G47.pdf
・2017 年10 月6 日 「がん治療ウイルス製剤「G47Δ」製造設備を竣工」
https://www.denka.co.jp/storage/news/pdf/494/20171006_g47delta_jpn.pdf
・2021 年1 月5 日 「がん治療用ウイルス G47Δの製造販売承認申請について」
https://www.denka.co.jp/storage/news/pdf/807/20210105_denka_G47.pdf