2021年06月22日 |
京大など、磁場と圧力で新たな熱制御材料を開発 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:京都大学 |
京都大学 化学研究所の後藤真人助教、東京大学大学院 理学系研究科の高木英典工場らの研究グループは22日、電荷転移を示すペロブスカイト構造フェリ磁性酸化物( BiCu3 Cr4 O12)について、磁場および圧力を加えた際に大きな熱量効果(マルチ熱量効果)を示し、高効率な熱制御を実現する新たな固体熱制御材料となることを実証したと発表した。 現在、世界の電力消費の25~30%は冷却に使われているといわれるほど、熱の制御は人類のエネルギー・環境問題上重要な課題になっている。 熱量効果を利用すると、高効率で環境負荷の小さい冷却が実現でき、熱に関する諸問題の解決につながる。 今回研究グループは、電荷転移を示すフェリ磁性酸化物(BiCu3 Cr4 O12)が、磁場と圧力の2つの異なる外場で熱量効果(マルチ熱量効果)を示すことを見出した。通常、熱量効果ではその熱特性は1つの外場で制御されるが、今回発見した材料だと、磁場と圧力という複数の(マルチな)手法により熱を効率的に制御できる。 磁場と圧力を協同的に加えることでより広範囲な熱特性の制御も可能となり、新規な高効率冷却技術の発展にもつながる。同研究成果は6月21日に、国際学術誌「Scientific Reports」に掲載された。 |