2021年06月24日
TOYOと富山大「人工光合成による水素社会」構築へ
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:東洋エンジニアリング

 東洋エンジニアリング(TOYO)と富山大学は24日、人工光合成による水素社会の早期実現を目指し、共同研究契約書を締結したと発表した。

 政府は、CO2排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を2050年までに達成する目標を掲げており、水素の利活用に基づく「水素社会」構築のための社会インフラの整備が急務となっている。

 その中でも、太陽光と光触媒を利用し、水を水素と酸素に分解する「人工光合成」技術は、CO2フリー水素製造法の一つとして注目されている。そのためにはCO2フリー水素を安価に安定的に供給することが不可欠。また水素と酸素を安全に分離する方法の確立も重要な課題となる。

 富山大学 学術研究部の高口豊教授(都市デザイン学)らが開発したカーボンナノチューブを用いた光触媒技術による水素発生方法は、光触媒の粒子を電極等に固定するのではなく、そのまま水中に分散させて反応に用いるためシンプルな装置構成となり、製造コストを抑えることが期待できる。

 従来の光触媒では吸収しにくい波長域の近赤外光を吸収する性質ももっている。従来活用が困難だった部分を有効利用できるため、太陽光利用効率の向上も見込むことができる。

 富山大学の光触媒技術と、TOYO が保有する水素と酸素の分離技術を組み合わせることで、高効率かつ安全な技術を確立することが可能となる。両者は、共同研究によって人工光合成による水素社会の早期実現を目指す。


人工光合成による水素社会の早期実現を目指し、富山大学と共同研究契約書を締結
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1624501380.pdf

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