2021年06月25日 |
北大、皮膚疾患病態再現へ 表皮モデル構築 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:北海道大学 |
北海道大学電子科学研究所の長山雅晴教授らは25日、真皮の変形を考慮した3次元表皮構造を計算機上に再現する数理モデルの構築に成功したと発表した。 皮膚の持つバリア機能は、表皮細胞が規則的に積み重なった表皮構造に起因している。とくにに角層バリア機能は基底層の表皮細胞が継続的に角質細胞へ分化することで維持される。この表皮が皮膚疾患によって破壊された場合は、その影響は表皮だけでなく、真皮の形態そのものに変化を及ぼす。老化による真皮の形態変化が表皮構造に影響を与えることも知られている。 そこで教授らは、表皮構造に真皮の形態がどのように影響するかを数理モデルで予測してみた。同グループが構築した数理モデルは,安定した表皮の層構造を作り出すことができる。また,その表皮の恒常性維持は基底層からの細胞供給量に依存することを示した。 さらに形態変化をモデル化することで、真皮の硬さが表皮構造や角層バリア機能にどのように影響するかを調べた。その結果、真皮を硬くすると表皮が薄くなり、角層バリア機能が低下することがわかった。 この数理モデルは今後、今後皮膚疾患のシミュレーションに応用できると期待される。 本研究成果は、6月24日公開の「Scientific Reports」誌にオンライン掲載された。 ニュースリリース参照 https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/210625_pr.pdf |