2021年07月09日 |
三洋化成、難治性の傷に人工タンパク質 治験開始 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:三洋化成 |
三洋化成工業は9日、京都大学大学院 医学研究科の森本尚樹教授(形成外科)らと共同で、やけどやケガなどの慢性創傷の治療を目的とした、新規治療材料「シルクエラスチン(商品名)スポンジ」を開発したため、有効性確認のための企業治験を開始すると発表した。 同プロジェクトは、(国研)日本医療研究開発機構(AMED) 医工連携イノベーション推進事業等の支援を得て行ってきた。 近年、糖尿病患者の増加や高齢化に伴い、糖尿病性皮膚潰瘍など、治りにくい創傷(慢性創傷)の増加が問題となっている。さまざまな原因で治癒が遅れることで、細菌に感染し、さらに治癒が遅れる悪循環になりやすいことが知られている。 開発した新規治療材料は、人工タンパク質シルクエラスチンで作製されたもので、これまでに、感染しやすい慢性創傷に対して、動物実験等で有効性と安全性を確認済み。 今回、三洋化成が中心となり、京都大学と広陵化学工業とともに、同材料の有効性を確認する目的の企業治験を実施する。企業治験は7月から国内5医療機関で開始する。 <用語の解説> ■シルクエラスチン・スポンジ 「シルクエラスチン」は、シルクフィブロイン(カイコが産生する繊維状のタンパク質)の部分配列と、エラスチンの部分配列とを組み合わせ、遺伝子組み換え技術で作製した人工タンパク質。今回、水分を含むと固まるというシルクエラスチンの特徴を利用して、傷を治す材料(創傷治癒材)を開発した。効果と安全性は京大を含む5施設で確認した。 ニュースリリース参照 https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1625803741.pdf |