2021年08月04日 |
京大・世界初「凝集抑制剤としてのATPの機能」解明 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:京都大学 |
京都大学工学研究科の白川昌宏教授らの研究グループは3日、アデノシン三リン酸(ATP)とタンパク質との非特異的な弱い相互作用を原子レベルで検出することに世界で初めて成功したと発表した。 ATPは、従来生命活動に必要なエネルギーの貯蔵や利用に関わる分子。近年、ATPにはタンパク質のアミロイド線維化を抑制するという別の作用があることが同定された。しかし、どのようにATPがタンパク質を安定化するのかは不明だった。 研究グループは今回、主にNMR(核磁気共鳴)を用いて、細胞内と同程度の濃度のATPが、タンパク質と弱く非特異的に相互作用すること、および自己会合することを明らかにした。タンパク質のアミロイド線維化はパーキンソン病などの神経変性疾患と関わるため、同成果は将来的に神経変性疾患の新たな治療法の開発に繋がることが期待される。 同研究成果は8月3日、国際学術誌「Journal of the American Chemical Society」のオンライン版に掲載された。 京都大学:ホームページ https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2021-08/20210803-sugase-bb04cad16a249acd4e980b3f7b2ada89.pdf |