2021年08月16日 |
東大など、メラトニン受容体の伝達複合体 構造解明 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:東京大学 |
東京大学大学院の濡木理教授(理学)をはじめ東北大学、横浜市立大学、関西医科大学などの共同研究グループは16日、クライオ電子顕微鏡による単粒子解析法でメラトニン受容体MT1とGiタンパク質三量体で構成されるシグナル伝達複合体の立体構造を解明したと発表した。さらに共同研究によって機能解析やバイオインフォマティクス解析を行い、受容体の活性化メカニズムやGiタンパク質三量体と選択的に結合する機構を明らかにした。 睡眠は人類の生命維持にとって必須であり、ホルモンなど多様な情報伝達物質で制御される。今回着目したメラトニンは、特に睡眠の誘導で中心的な役割を果たしており、その過程ではGPCRの一種であるメラトニン受容体とGiタンパク質三量体による神経細胞の活動を抑制するシグナルが重要となる。 近年メラトニン受容体の結晶構造が報告されたが、これらは不活性型構造を示しており、メラトニン受容体の活性化に伴う構造変化やシグナル伝達因子であるGiタンパク質三量体と選択的に共役する機構は不明なままだった。 この研究成果により、睡眠障害の治療薬開発が促進され、GPCRとGタンパク質との選択的なシグナル伝達に関する研究が進展することが期待される。 本研究の成果は8月5日、科学雑誌「Nature Structural and Molecular Biology」誌に掲載された。 ニュースリリース参照 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20210816_01web_melatonin%20.pdf |