2021年08月24日

住友化学、愛媛と韓国で半導体用ケミカル増強

【カテゴリー】：行政/団体 【関連企業・団体】：住友化学

住友化学は24日、将来さらに需要の拡大が見込まれる半導体デバイス市場に向けて、高純度ケミカルの製造ラインを増強すると発表した。愛媛工場の高純度硫酸設備を約2倍に引き上げるほか、100％子会社である韓国・東友ファインケムの高純度アンモニア水の生産能力を約4割増強する。愛媛工場は24年度上期、東友ファインケムは23年度下期に稼働開始の予定。 　住友化学は1978年に千葉工場（市原市）で硫酸や硝酸などの生産を開始、愛媛工場では91年に硫酸の生産を始めるなど、半導体用高純度ケミカルには長い歴史と実績を有している。現在は韓国、中国でも展開中だ。 　 　高純度ケミカルは、半導体製造の際の洗浄工程などに用いられる、製造工程で金属や有機物などの異物が半導体の品質・歩留まりを低下させないよう、不純物をppt（1兆分の1）レベルまで低減する超高純度化技術が求められる。同社は、徹底した不純物排除により、それらの厳しい要求を満たしている。また、微小不純物分析技術に基づく品質保証体制を確立するなど、品質安定性にも強みをもつ。 　 　また、韓国では東友ファインケムが平澤工場と益山工場の2拠点で事業を展開し、中国では住化電子材料科（西安）有限公司および住化電子材料科技（常州）有限公司が製造・販売を行うなど、グローバルな供給体制を構築している。 　半導体デバイス市場は、第5世代移動通信システム（5G）対応スマートフォンの普及に加え、ライフスタイルの変化に伴うパソコンやデータセンター関連機器向けに需要伸長を続けており、その製造に不可欠な高純度ケミカルの需要も引き続き堅調な拡大が見込まれている。同社は今回の両工場での生産能力増強により、安定供給を果たしていく方針だ。 　 　 　ニュースリリース参照 　https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1629773574.pdf