2021年08月25日 |
名大など、植物のアンモニウム毒性の原因解明 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:名古屋大学 |
名古屋大学高等研究院の蜂谷卓士助教(現:島根大学助教)らの研究グループは24日、島根大学、埼玉大学、理化学研究所などとの共同研究により、高濃度のアンモニウム塩の施肥による植物の生育阻害(アンモニウム毒性)が、プラスチド型のグルタミン合成酵素による過剰なアンモニウムの同化によって起こることを発見したと発表した。 ほとんどの植物種は、硝酸塩とアンモニウム塩を根から吸収して窒素栄養源に利用する。しかし最近の研究で、大気CO2濃度の上昇にともなって植物による硝酸塩の利用効率が低下することがわかってきた。このため、将来の高CO2環境における窒素栄養源としてアンモニウム塩が注目されているが、高濃度のアンモニウム塩の施肥はしばしば植物の生育阻害を招く。 この現象は「アンモニウム毒性」として古くから知られていたが、原因は未解明だった。 今回の研究成果により、「アンモニウム毒性」の原因の一つが明らかになった。高濃度のアンモニウム塩の施肥下でも健全に生育する作物の開発への応用が期待される。 同研究成果は8月16日付英国科学誌「Nature Communications」に掲載された。 名古屋大学ホームページ : https://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/researchinfo/upload_images/20210824_agr.pdf |