2021年08月31日 |
日本ゼオン、AI画像で材料の物性を高速予測 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:日本ゼオン |
日本ゼオンは30日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト」に参画し、先端素材高速開発技術研究組合(ADMAT)、産総研と共同で、人工知能(AI)を用いて、材料の構造画像を生成し、高速・高精度で物性の予測を可能にする技術を開発したと発表した。 カーボンナノチューブ(CNT)のような複雑な構造を持つ材料も、高精度に物性予測できる。従来AI技術を適応できなかったさまざま材料にも材料選定から加工・評価まで一連の実験作業を高速・高精度にコンピューター上で再現(仮想実験)できる。引き続き、幅広い材料へ適用可能な技術開発につなげ、新技術および新材料開発の可能性拡大に貢献していく方針だ。 昨今、材料開発への要求の高まりとともに、ディープラーニング(深層学習)などの情報処理技術の利活用も活発化している。これはさまざまな材料データをコンピューターに学習させることで、高性能な新しい材料の提案を可能とするAI技術で、人の勘や経験に頼る従来の材料開発をさらに高度化することができる。 だが、コンピューター上で扱える材料は、構造が定義できる低分子化合物や周期構造を持つ金属、無機化合物に限られるという大きな課題があった。 今回開発した技術は、まず複雑な構造を持つCNT膜の構造画像と物性をAIに学習させる。その上で、種類の異なるCNTを任意の配合で混合したさまざまなCNT膜の構造画像をコンピューター上で生成することで、その物性の高精度な予測を可能にする。 従来のAIでは適応できない複雑な構造を持つ材料の組成選定・加工・評価など一連の実験作業をコンピューター上で高速・高精度に再現(仮想実験)でき、材料開発のさらなる加速化が期待できる。 同技術の詳細は8月30日、国際学術誌「Communications Materials」の電子版に掲載された。 ニュースリリース https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1630318639.pdf |