2021年09月07日
東北大、酸素を求めて動く細胞の性質を発見 
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 東北大学流体科学研究所の船本健一准教授らの研究グループは7日、細胞性粘菌が低酸素環境下動きを活発化させ、酸素を求めて集団的に遊走する性質を発見したと発表した。

 広範囲にわたる細胞の動きの追跡、酸素濃度のライブモニタリング、マイクロ流体デバイスを用いた酸素濃度制御、数理モデルの構築からなる学際的研究アプローチにより、細胞性粘菌の集団的遊走のメカニズムを理論的に説明した。

 船本准教授らは今回、仏国リヨン第1大学との共同研究チームにより、真核細胞のモデル生物である細胞性粘菌が、酸素消費によって自己生成した酸素濃度勾配に応じて、酸素がより豊富な領域に向かって長期的・安定的にリング形状を形成しながら集団的に遊走することを発見した。
 
 研究にあたっては、酸素センシングフィルムによる細胞周囲の酸素濃度のライブモニタリングと、マイクロ流体デバイスによる任意の酸素濃度勾配の生成を実現し、細胞性粘菌の集団的な遊走を説明する新しい数理モデルを構築した。

同研究成果は、酸素濃度環境に依存する複雑で多様な真核細胞の細胞動態を理解する突破口になり、生命現象の解明と予測につながる重要な知見といえる。 研究成果は、8月20日付でオープンアクセス誌「eLife」に掲載された。


ニュースリリース参照

https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20210907_01web_Hypoxia.pdf