2021年09月09日 |
名大、1億倍の弾性率変化示すシリコーン素材開発 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:名古屋大学 |
名古屋大学大学院 工学研究科の関隆広教授、立教大学理学部の永野修作教授らの研究グループはこのほど、プラスチックのように硬く、湿度の変化で1億倍も弾性率が変化するシリコーン素材を開発したと発表した。 直鎖状シリコーンは一般に室温で流動性を示し、オイルなどの柔軟材料の主成分として利用される。だが今回開発した直鎖状シリコーンは材料は乾燥状態で合成樹脂(レジン)と同等に硬くなることを初めて見出した。 この機能性シリコーンは吸湿性を示し、湿潤状態と乾燥状態では弾性率が1億倍も変化する。さらに乾燥状態ではガラスを強く接着させる機能を持つ。これらの特性は、従来の直鎖状シリコーンでは実現できないものばかりであり、今回の研究成果によって材料の設計指針が広がったことになる。 市販のモノマーを酸と混ぜるだけで簡便に合成できる特徴も有する。モノマーの原料が豊富に存在するケイ酸塩鉱物であることから、SDGsへの貢献も期待できる。 同研究成果は9月3日、英国科学誌「Scientific Reports」に掲載された。 |