2021年09月10日 |
窒化ガリウムとダイヤモンドの直接接合に世界初成功 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:東北大学 |
東北大学 金属材料研究所の大野裕准教授らの研究グループは10日、これまで不可能とされてきた窒化ガリウム(GaN)とダイヤモンドの直接接合に世界で初めて成功したと発表した。大阪市立大学、佐賀大学などとの共同研究による成果。 窒化ガリウムを利用したトランジスタは、シリコンに代わる次世代半導体として、携帯電話の基地局などで使用されているが、動作時に極度に温度上昇するため性能が大きく制限される。大型の放熱部材も必要となる。 今回、研究グループは、地球上で最も熱伝導率が高く、最も効率的に熱を逃すことができるダイヤモンドと、窒化ガリウムとの常温での直接接合に成功した。1,000℃の熱を加えても耐え得る、安定した接合であることも実証した。 さらに、接合に際してダイヤモンドの結晶構造は壊れるものの、熱処理することで再結晶化することを明らかにした。これは界面で高い熱伝導率が保持することを示している。 今回の成果により窒化ガリウムトランジスタで発生する温度上昇をこれまでの1/4倍程度まで抑制でき、大幅な省エネにつながると予測される。 同研究成果は、9月9日付の国際学術誌「ADVANCED MATERIALS」にオンライン掲載された。 |