2021年09月17日 |
理研、AI制御しクライオEM自動測定システム開発 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:理化学研究所 |
理化学研究所放射光科学研究センターの米倉功治グループディレクターと東北大学の研究チームは17日、人工知能(AI)制御によるクライオ電子顕微鏡(クライオEM)の画像データの自動測定システムを開発したと発表した。 試料の結晶作製が必要ない「単粒子解析」では、個々の分子が写った多数の画像を撮影すること、微小結晶を用いる「電子線三次元結晶構造解析」では回折パターンを記録することでタンパク質などの立体構造を決定する。 後者は薬剤や機能性材料の詳細な構造決定にも用いられる。どちらの手法も半自動で測定できるものの、データ取得に失敗する場合もあり、解決すべき課題として残されていた。 今回研究チームは、AIを利用してクライオEMのデータ測定を制御するソフトウェア「yoneoLocr」を開発した。まず、分子の画像撮影と電子回折パターン測定に必要となる画像データをディープラーニングで機械学習させた。次に学習結果をデータ測定時にリアルタイムで利用できる一連のシステムを開発し、理研の高性能クライオEMで運用した。その結果、両手法でデータ取得の失敗は大幅に減少し、完全自動での測定が可能になった。 同研究成果は、オンライン科学雑誌「Communications Biology」(9月7日付)に掲載された。 ニュースリリース参照 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20210917_01web_EM.pdf |