2021年09月22日
熊本大、AIで植物細胞形状の追跡計測技術を開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:熊本大学

 熊本大学大学院 国際先端科学技術研究機構の檜垣匠准教授らの研究グループは21日、植物の葉の表面を構成する表皮細胞の形状変化を低コストかつ高精度に追跡計測する新技術を開発したと発表した。これまで高価な顕微鏡装置が必要だった葉の表皮細胞の形状変化の追跡計測が、AIの活用で低コスト・高精度で実現できた。

 双子葉植物の葉の表皮細胞の多くは、成長に伴い単純なレンガ型から複雑なジグソーパズル型に変形する。

 細胞形状変化を研究するためには、細胞を経時的に追跡して形の変化を計測する技術が基本的かつ重要で、これまでは、特殊な技法や高価な顕微鏡装置が必要だった。

 今回、研究グループは、金属インクを葉の表面に塗布することで比較的安価な金属顕微鏡でも細胞の形状を明瞭に可視化できることを発見した。さらに顕微鏡画像から細胞を自動認識して形を計測するAIシステムを開発した。
  
 本技術の普及により、今後、植物細胞の形づくりの仕組みや、その特徴的な形状を活かした応用研究が飛躍的に進むことが期待される。

 同研究成果は9月21日にオンライン科学雑誌「Frontiers in Plant Science」に掲載された。


ニュースリリース参照
https://www.kumamoto-u.ac.jp/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2021-file/release210921.pdf