2021年09月28日
慶応大など、頸髄症を非接触型センサーで選別
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:慶応大学

 手指の動かしにくさや歩行のふらつきを引き起こす頸髄症(けいずいしょう)は、早期診断が必要で、簡便な検査方法が求められていたが、東京医科歯科大学と慶應義塾大学の研究グループは27日、非接触型センサーを用いて頚髄症を簡便にスクリーニングする方法を開発したと発表した。JST戦略プログラムの一環。

 頚髄症は、初期は自覚症状が乏しいことや、診断が難しいなどから、専門病院を受診しても頚髄症と診断されるまでの間に症状が悪化してしまうことがあり、早期診断と早期治療につながるスクリーニングツールの開発が望まれていた。

 研究グループは、症状の悪化に伴って手指の動きが悪くなることに着目し、その特徴を解析した。非接触型センサーを使って手指の動作データを記録し、機械学習により、疾患の有無を推定するプログラムを作成した。この結果、約1分ほど簡単に手指を運動させるだけで、専門医による従来の身体診察と同等以上の精度で頚髄症の可能性が検査できた。

 これにより、専門医のいない環境でも頚髄症の可能性をスクリーニングできるようになる。検査により、頚髄症が疑われる場合には専門医受診を促し、早期診断、早期治療につなげることが可能となる。最終的には、疾患の重症化による身体機能の低下、社会的損失を防ぐことを目指す。
 本研究成果は9月24日、「Spine」に掲載されました。


ニュースリリース参照
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20210927/pdf/20210927.pdf