2021年11月15日 |
茨城大など、スパコンで新たな惑星形成 解明 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:科学技術振興機構 |
茨城大学、工学院大学、東北大学らの研究グループは15日、国立天文台のスーパーコンピュータ「アテルイ2」を用いた数値流体シミュレーションによって、原始惑星系円盤にて観測されるリング構造が惑星形成の歴史を示している可能性を明らかにしたと発表した。 惑星は生まれたての若い星の周囲にある「原始惑星系円盤」で作られる。近年、チリの大型電波干渉計「アルマ望遠鏡」によってその詳細な構造が明らかになり、原始惑星系円盤にはリング状の構造がたくさん存在することなどが分かった。このリング構造を作り出す要因のひとつに、円盤内で形成される惑星の存在が考えられている。 これまで惑星によって作られたリング構造には、常に惑星が付随するものと考えられてきた。しかし今回の計算から、惑星が生まれたときに形成されたリング構造はその場所に残る一方、惑星は中心の星に向かって、リングを「置き去り」にして移動する場合があるということが分かった。移動した惑星はその先で新たなリングを作ることから、原始惑星系円盤内で動いた惑星の「始点」と「終点」に2つのリングが作られることになる。この計算結果は、観測されているリング構造が惑星形成の歴史をそのまま残している可能性を示唆している。 今後、次世代の望遠鏡であるTMTやngVLAによって、内側に移動した惑星を直接見つけることができれば、この説が裏付けられると期待される。 この成果は、11月12日(EST)、The Astrophysical Journalに掲載された。 ニュースリリース参照 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20211109_01web_planet.pdf |