2021年11月24日
旭化成、廃プラ由来ブタジエンS-SBR 生産へ
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:旭化成

 旭化成は24日、Shell Eastern Petroleum 社(本社:シンガポール)と、廃プラスチックおよびバイオマス由来のブタジエン(サステナブルブタジエン)の購入に関する売買契約を締結したと発表した。調印式は23日、シンガポール・ブコム島で開催されたサーキュラーエコノミー関連イベントにあわせて行われた。

 同社は、2022年3月末までにシンガポールにある合成ゴムプラントにサステナブルブタジエンを投入し、これらを原材料としたサステナブルS-SBR(溶液重合法スチレンブタジエンゴム)の生産と市場開拓を開始する予定。

 S-SBRは、主に省燃費型高性能タイヤ(エコタイヤ」)に用いられる合成ゴムで、近年、環境規制の強化や環境意識の高まりを背景に世界的に需要が伸長している。自動車業界は2050年のカーボンニュートラル実現に向け、EV(電気自動車)化への取り組みを加速しており、エコタイヤの材料であるS-SBRへのニーズも高まっている。

 旭化成はこうした中、自動車の航続距離増加やEV化による車両重量増への対応といったニーズに応え、特に省燃費性能や耐摩耗性能の向上を重視したさらなる高性能品の開発を進めている。性能の向上だけでなくサプライチェーン全体でのCO2削減を目指したサステナブルな原材料への転換も検討中だ。

 一方、Shell社は、2050年までにネットゼロのエネルギー事業体を目指し、化学品生産時のCO2排出量削減とサー
キュラーエコノミーの実現に取り組み中だ。今回、同社はマスバランス管理されたサステナブルブタジエンを2つの製法で生産する。1つは廃プラスチックを熱分解油に変換しナフサクラッカーにフィードする製法、もう1つはバイオ原材料を同ナフサクラッカーにフィードする製法である。

 廃プラスチック由来のブタジエンを使用するS-SBRの生産は世界初となる。また、バイオマス由来のブタジエンを使用するS-SBRの生産も日本初の試みとして注目されそうだ。

 
ニュースリリース参照
https://www.asahi-kasei.com/jp/news/2021/ze211124.html#page