2021年11月29日
三井化学、ヨウ素系抗菌剤に抗ウイルス効果
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:三井化学

三井化学は29日、同社が製造販売するヨウ素系抗菌・防カビ剤「ヨートル」シリーズに抗ウイルス効果があることを確認したと発表した。「ヨートル」は、ジヨードメチル-p-トリルスルホン(DMTS)を活性成分とするヨウ素系の抗菌・防カビ剤で、効果の確認試験は(一財)日本食品分析センターで行った。

<インフルエンザウイルスへの効果>
今回、「ヨートルDP95」および開発品「ヨートルDP-CD」に、インフルエンザウイルスを不活化する効果があることを確認した。細胞を用いたウイルス感染試験で、ヨートルDP95を添加することで、試験開始直後と比べて2時間後にウイルス数が99%減少した。またヨートルDP-CDでは、より短い時間(10分後)でウイルス数が99.99%減少した。

■「ヨートルDP95」とは:
ヨートル DP95 は三井化学が1985年に製造販売を開始した。幅広い種類のカビに対して高い生育阻害能を示し、木材防腐、塗料、皮革、壁紙などに使用されている。同剤はSIAA(抗菌製品技術協議会)の防カビ剤ポジティブリストに登録されており、その活性成分であるDMTS はFDA のポジティブリストに掲載されている。
製品サイト:https://jp.mitsuichemicals.com/jp/service/product/yohtoldp95.htm

■開発品「ヨートルDP-CD 」とは:
ヨートルRDP-CDは、健康食品などを製造販売するシクロケムバイオ(本社:神戸市、寺尾 啓二社長)と共同開発した。両社の技術を組み合わせて、水溶性を付与し抗菌性を高めることに成功した抗菌・防カビ剤の水溶液で、一般用途のほか水系塗料、水系接着剤、金属・レンズ加工液など水を主剤とする用途でも使用できる。粉体タイプの製品開発中だ。

(参考)
関連ファイル(2019年9月18日付)
https://jp.mitsuichemicals.com/jp/release/2019/2019_0918.htm