2021年12月07日 |
東北大、世界初・ミトコンドリア病薬第1相臨試 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東北大学 |
ミトコンドリア病は、細胞内のエネルギー(ATP)産生工場であるミトコンドリアに障害をきたした疾患で、神経・筋、循環器、内分泌系、消化器系などでエネルギー産生の低下がおこり、幼少期から非常に重篤な障害をきたす希少疾患。しかし現時点では、治験で効果があると厳密に確定された治療薬はタウリン以外にないとされている。 東北大学大学院 医学系研究科の阿部高明教授らが開発してきた新規化合物 Mitochonic acid-5 (ミトコニック アシッド5=MA-5)は、既存薬とは異なる全く新しいメカニズムのミトコンドリア病治療薬として期待されている。 MA-5はミトコンドリア病患者由来の培養細胞の細胞死を抑制し、ミトコンドリア病のモデルマウスにおいて心臓・腎臓の呼吸を改善し、生存率を上昇させた。 研究グループは、MA-5を成人健常者56人に投与し、その安全性を確認する第1相臨床試験をAMEDムーンショット型研究として2022年1月から開始する。同試験により、MA-5を人に対して投与することの安全性や、人体でどのように吸収され、血液中でどのように運ばれるか、どのように代謝されるか(体内動態)などの効果を確認する。 さらに同試験終了後には、MA-5投与による第2相臨床試験を行う予定。同研究は、有効な治療法がない希少難病であるミトコンドリア病の進行抑制や治療につながり、将来的には、同様にミトコンドリア機能の低下により生じる難聴、サルコペニア、ALS、パーキンソン病などの疾患の発症予防や治療に役立つと期待される。 ニュースリリース参照 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20211206_02web_ma5.pdf |