2021年12月08日
「誰を見てどう動いたか」生物集団の移動軌跡推定
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:名古屋大学

「空を飛ぶ鳥は、誰を見てどう動いたか」という理論モデルを名古屋大学と九州大学の研究チームがまとめた。生物集団の移動軌跡と深層学習を組み合わせて、相互作用の規則を推定する手法を開発した。

魚や鳥の集団で有名なボイドモデルや、非線形振動子の蔵本モデルのシミュレーションデータを用い、相互作用の関係性をデータから正確に推定できた。コウモリ、マウス、鳥、ハエの集団移動データを用いて、同一の深層学習モデルからそれぞれ新たな知見を得た。

研究したのは名古屋大学大学院 情報学研究科の藤井慶輔准教授をはじめとする九州大学、同志社大学、理化学研究所などの共同研究チーム。これまで概念的だった動物行動学の理論モデルに基づき、1つの機械学習モデルを用いて、多種の生物集団に柔軟に適用できる定量的な解析方法を開発した。

これにより、人間を含む様々な生物の集団移動に関する一般的な法則や、その多様性の発見へと繋げていくことが期待できる。

 本研究成果は12月6日~14日、オンラインで開催される、人工知能・機械学習分野における世界最高峰の国際会議「Neural Information Processing Systems 2021」(「NeurIPS 2021」)で発表する。

研究は、2020年度の科学技術振興機構さきがけ「信頼されるAIの基盤技術」や、科研費学術変革領域(A)「サイバー・フィジカル空間を融合した階層的生物ナビゲーション」などの支援を得て行った。

ニュースリリース参照
https://www.kyushu-u.ac.jp/f/46162/21_12_06_01.pdf