2021年12月17日 |
東北大など、安価で高性能な燃料電池触媒開発 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:東北大学 |
燃料電池や金属空気電池などの正極に空気中の酸素を還元する触媒として、白金やマンガン酸化物に代わる安価で高性能な電極触媒の開発が求められているが、東北大学材料科学高等研究所の藪浩准教授をはじめ、北海道大学、電気通信大学などからなる研究グループは16日、安価なカーボンブラックと、青色顔料であるアザフタロシアニン系金属錯体を組み合わせることで、燃料電池や金属空気電池の正極反応である酸素還元反応を白金と同等以上に触媒する電極触媒の開発と、その原理解明に成功したと発表した。 これまで高温で焼成することで炭化したカーボンアロイや、ナノチューブ、グラフェン等のナノ炭素を用いた電極触媒が提案されてきた。しかしながらこれらの手法は高温プロセス等が必要であり、プロセスコストが高いという課題があった。 研究グループは今回、安価なカーボンブラックを用いて多段階で高コストな焼成などの高温プロセスを必要とせずに、常温のウェットプロセスで電極触媒が作製できる 技術を開発した。金属錯体分子の構造およびエネルギー状態と触媒性能の相関を実験と理論の両面から解明した。今後燃料電池の低コスト化と高性能化に大きく貢献できると期待できる。 同研究成果は12月15日 に米国科学誌「 ACS Applied EnergyMaterials 」のオンライン版に掲載された。 ニュースリリース参照 https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/211216_pr.pdf |