2022年01月05日
東大、血小板で新型コロナの重症化リスクを予測
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東京大学

 東京大学大学院 理学系研究科の合田圭介教授らの研究グループはこのほど、新型コロナウイルス感染症患者の約9割に、過剰な数の循環血小板凝集塊が存在することを世界で初めて発見したと発表した。

 COVID-19(新型コロナウイルス感染症)患者は、血栓症(特に微小血管血栓症)が重症度や死亡率の重要な要因の一つであることは報告されてきたが、詳細は不明のままだった。その謎を解くために、合田圭介教授や米国バージニア大学などとの共同研究グループはこのほど、東大病院に入院したCOVID-19患者(110名)から採取した血液内の循環血小板凝集塊を、マイクロ流体チップ上で高速流体イメージングにより大規模撮影し、取得した循環血小板凝集塊の画像ビッグデータを解析した。

 その結果、驚くべきことに、全患者の約9割に過剰な数の循環血小板凝集塊が存在することを世界で初めて発見した。また、循環血小板凝集塊の出現頻度とCOVID-19患者の重症度、死亡率、呼吸状態、血管内皮機能障害の程度に強い相関があることを発見した。本研究成果は、COVID-19における血栓症発症機序の解明、重症化リスクの予測、より良い抗血栓療法の探求・評価、後遺症の理解に資すると期待される。

ニュースリリース参照
https://www.h.u-tokyo.ac.jp/press/__icsFiles/afieldfile/2021/12/23/release_20211223.pdf