2022年01月18日
東ソー、カーボンニュートラル推進へ新施策
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:東ソー

 東ソーは18日、カーボンニュートラルに向けた新経営方針を策定したと発表した。日本政府の2050年カーボンニュートラル宣言および2030年度GHG(温室効果ガス)削減目標見直しを受けて、東ソーグループとしての排出量削減方針を新たに策定した。2030年度までに30%削減し、2050年度のカーボンゼロをめざすという大型計画で、投資額は総額1200億円、うち22年度からの3カ年に約600億円を投入する方針だ。

 計画の骨子として、まず(1)2030年度までにGHG排出量を2018年度比30%削減する(2)2050年にはカーボンニュートラルを実現する、を2本柱として据えた。

 具体的には、基準年である2018年の同社グループのGHG排出量は824万トン。これを省エネの推進やCO2回収/有効利用によって2030年には30%減の約577万トンに削減する。さらにエネルギーの脱炭素化、次世代燃料導入、ポートフォリオの再編などにより、2050年にはカーボンゼロ達成をめざす内容となっている。

◆GHG 排出量削減施策

(1)省エネルギーの推進
 新規投資における GHG 排出量の増減をインターナルカーボンプライシングを用いて費用換算することで、投資
判断の材料としているが、この設定単価を引き上げ、これまで以上に省エネの取り組みを加速させる。
(2)使用エネルギーの脱炭素化
 GHG 排出量削減に向けた最大のターゲットは自家用火力発電設備からの CO2排出量削減となる。GHG 排出量
の多い石炭等化石燃料からの段階的な転換(バイオマス、LNG、CO2フリー水素・アンモニア等)を進め、あわせて再生可能エネルギー(太陽光等)の導入の取り組みを強化し、使用エネルギーの脱炭素化を推進する。
(3)CO2の回収・有効利用
 発電設備や製造プロセスから発生する CO2を分離・回収し、ポリウレタン原料などに有効利用する技術開発を
進める。外部研究機関や国の支援も受けて推進する。
(4)GHG 排出量削減に向けた投資
 これらを推進するため、従来の設備投資に加えて 2030 年度に向けて約 1,200 億円の GHG 排出量削減投資を行う方針。そのうち直近の2022年度からの3カ年で約 600 億円の投資を計画する。

 東ソーグループは、これらのCO2削減計画を推進するため、2018年5月、取締役会の直下にCO2削減・有効利用推進委員会を設け、「CO2削減・有効利用戦略室」および 「CO2削減・有効利用 南陽/四日市タスクフォースチーム」を設置するなど推進体制を強化し取り組んできた。
 
 
ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1642472219.pdf