2022年01月26日 |
東大、皮膚の健康に影響する皮質分解酵素 発見 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東京大学 |
東京大学大学院 医学系研究科の村上誠教授らの研究グループは26日、慶應義塾大学および日本医療研究開発機構との共同研究により腸管内腔に分泌されるsPLA2-IIAという「リン脂質を分解する酵素」が、腸内細菌叢の調節に関わることを初めて明らかにしたと発表した。 研究グループは腸管内腔に分泌されるリン脂質分解酵素の一つであるIIA型分泌性ホスホリパーゼA2 (sPLA2-IIA)が、腸内細菌叢のバランスを変えることによって、皮膚がんや乾癬などの皮膚疾患に影響を及ぼすことを発見した。 これまで、sPLA2は発現している局所の組織微小環境中において固有の機能を発揮すると考えられてきたが、同研究結果は、sPLA2の一つであるsPLA2-IIAが腸内細菌叢の調節を介して遠隔臓器に二次的変容を導くことを示しており、sPLA2の新しい動作原理を提示した。 このことから、腸管のsPLA2-IIAは、皮膚疾患の新たな創薬標的・予測バイオマーカーとなり、これを標的とした創薬は、皮膚疾患の新たな診断や治療に役立つと期待できる。 同研究成果は1月25日に米国科学誌「JCI insight」オンライン版に掲載された。 ニュースリリース参照 https://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/admin/release_20220126.pdf |