2022年01月27日
東レ、UDテープを複合/マテリアル構造体解析新技術
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東レ

 東レは27日、UDテープ(一方向連続繊維強化テープ)を射出成形材料と複合したマルチマテリアル構造体の新たな解析技術を開発したと発表した。これにより複数の材料を組み合わせた部品の特性を高精度で予測することが可能となり、より短期間で高性能な部品開発に貢献できる。

 今後、UDテープや射出成形用樹脂などの材料、構造設計などとともに、同解析技術を組み合わせたトータルソリューションを顧客へ提供し、UAM(Urban Air Mobility)や電気自動車などの次世代モビリティ分野のほか、一般産業分野での採用拡大につなげる。

 UDテープは、一方向に束ねた炭素繊維などの連続繊維にポリアミド6(PA6)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)などの熱可塑性樹脂を含浸させたテープ状の中間基材で、連続繊維を使用することから剛性・強度に優れ、また他の熱可塑性樹脂材料と溶着することができる。
 
 これらの特性を生かし、UDテープを射出成形品に最適配置することで、コストを押さえながら軽量化効果を最大限に引き出したマルチマテリアル構造体を得ることが可能となる。
 
 一方で、UDテープを射出成形品に配置する際、UDテープと射出成形材料とを組み合わせたマルチマテリアル構造体で重要な強度や衝撃特性を精度良く解析することが難しいという課題があった。

 同社は、樹脂流動解析ソフト「 3D TIMON 」を改良し、材料間の接合状態や材料の破壊挙動を正確に反映させ、樹脂流動と衝撃特性の連成解析技術を確立して、衝撃特性を高精度に予測できる新たな解析技術を開発した。この技術を用いることで、マルチマテリアル構造体の構造設計を短期間で行うことが可能となる。

<用語の解説>
◆ 3D TIMON : 東レエンジニアリングDソリューションズ社製の樹脂流動解析ソフト。

ニュースリリース参照
https://www.toray.co.jp/news/details/20220127095619.html