2022年02月14日
北大・東邦大、ナノレベル自立型COF膜 作製に成功
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【関連企業・団体】:北海道大学

 北海道大学大学院 工学研究院の島田敏宏教授と東邦大学理学部の柳瀬 隆講師らの研究グループは14日、交互蒸着法と呼ばれる新たな蒸着重合法を利用してナノメートルレベルで厚さを制御した、共有結合性有機構造体(COF)膜の合成に成功したと発表した。

 同手法では前駆体となる2つの分子の比率を精密に制御して蒸着することにより、耐薬品性・機械的強度の高い堅牢なCOF膜が作製できる。また、合成したCOF膜は容易に基板から剥がすことが可能で、自立膜として利用できる。本研究で作製したCOF膜はナノメートルサイズの微細孔を数多く有するため、この性質を利用すると混合ガスを分離することが可能となる。

 今回研究では合成したCOF膜を二酸化炭素(CO2)と窒素(N2)の分離に応用した。すると、CO2の透過量はN2の4倍以上で高い選択性を確認することができ、CO2が効果的に分離されることを明らかにした。
 
 この選択性の高さがゲート効果ではなく、COF膜の微細孔部分に存在するカルボニル基とCO2の間に働く分子間力によるものであると量子化学計算を用いて解明した。
本研究成果は2月2日公開の「ACS Applied Nano Materials」誌にオンライン掲載された。

ニュースリリース参照
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/220214_pr2.pdf