2022年02月15日
東レ科学技術賞に理研・影山、東大・岡部の両氏
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東レ

(公財) 東レ科学振興会は15日、第62回東レ科学技術賞、東レ科学技術研究助成、第53回東レ理科教育賞の受賞者を発表した。東レ科学技術賞2名の業績と東レ理科教育賞文部科学大臣賞受賞者は次のとおり。

【東レ科学技術賞】
◇影山 龍一郎氏( 理化学研究所脳神経科学研究センター長) 「発生過程における遺伝子発現振動の意義」
 生物の発生過程において転写因子の発現制御はきわめて重要。氏は、種々の組織の発生過程において、遺伝子発現が周期的に振動することを発見し、その意義と分子機構を明らかにした。本業績は、発生学研究を先導し、組織再生のための技術基盤となることが期待されたことから、高く評価された。

◇岡部 徹氏( 東京大学生産技術研究所所長・教授)「レアメタルの環境調和型リサイクル技術の開発」
 氏は、リチウムイオン電池、電動車などの生産に不可欠なレアメタルの研究に取り組み、有害物を発生させずにレアメタルを分離抽出するリサイクル技術の発明を始めとする先駆的な業績を挙げた。世界規模でレアメタルの需要が増す中、同氏の業績の重要性は益々高まると期待される。

【東レ理科教育賞文部科学大臣賞】
◇西牧 岳哉氏(長野県松本深志高等学校教諭)「寒天ゲルを用いた高出力電池の開発と教育実践」
 薄い寒天ゲルシートを2種の金属板で挟んだ直方体形の高出力ダニエル電池を製作した。電極の入れ替えが容易で、定量実験や電池の仕組みや色々な金属の性質の学習に適しており、この教材を用いた教育実践が高く評価された。