2022年02月21日 |
東北大、繰り返し利用可能な超分子接着剤を開発 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:東北大学 |
“張ったり剥がしたり”が、繰り返しできる超分子接着剤を東北大学の研究チームが開発した。自在に接着および剥離ができ、再利用可能な新たな新たな「スマート接着剤」として注目される。 その材料として、ムール貝などが荒波の中で岩に強固に張りつくときに分泌するカテコールを利用する。しかしカテコール由来の接着剤は、異種材料間の接着には有利であっても酸化しやすい。しかも不可逆的(元に戻らない)であるため、接着強度の低下や再利用が困難などの課題がある。 今回、東北大学大学院の三ツ石方也教授(工学研究科)らのグループは、疎水性の環状シロキサンにカテコールとカルボキシ基を同時に導入することで、優れた抗酸化性が期待できる超分子を開発し、高接着かつ再利用可能性を有する“スマート接着剤”の開発に成功した。 バイオミメティックな化学を基礎として、単純な分子構造設計と簡単な合成方法による超分子接着剤の開発は、将来、海洋接着剤や生体接着剤など、さまざまな分野での応用が期待できる。 同研究成果は2月15日(米国時間)に米国化学会の科学誌「ACS Applied Polymer Materials」でオンライン公開され、Supplementary Coverにも選出された。 ◆水素結合 :電気陰性度が大きな原子(陰性原子)に共有結合で結びついた水素原子が、近傍に位置した窒素、酸素、硫黄、フッ素、π電子系などの孤立電子対とつくる非共有結合性の引力的相互作用。通常の共有結合より弱い非結合性であるため、くっついたりはずれたりと可逆的なふるまいを起こすことができる。 ニュースリリース参照 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20220218_01web_mussels.pdf |