2022年02月24日 |
東北大、生体内細胞の転写因子 活性測定法開発 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東北大学 |
東北大学大学院 生命科学研究科の安部健太郎教授らの研究グループは22日、生体内細胞で遺伝子発現を直接制御する多数の転写因子の活性を測定する新規技術を開発したと発表した。 生物のからだを構成する細胞の性質は、その細胞が発現する多数の遺伝子の発現量のパターンによって決まる。このため生体細胞内において遺伝子の発現を直接制御する転写因子の活性は、細胞の状態を表す重要な情報となる。これまで、転写因子の活性をトランスクリプトーム解析から類推する方法はあったが、生体内細胞でその活性を直接測定することは困難だった。 安部教授らのグループは、転写因子活性を測定するためのウイルスベクター群を作成し、それらを使用することで、がん細胞などの細胞株や、生体内細胞での多数の転写因子活性を直接計測することを可能にした。同研究は今後、生体の発生・発達や感覚入力・学習など様々な生理機能、または生活習慣や病態進行に伴う細胞状態の変化を明らかにし、新規治療法や予防法の開発に貢献すると期待できる。 本研究成果は、2月13日の「iScience」誌(電子版)で公開された。 <用語の解説> ◆トランスクリプトーム : 細胞が発現する遺伝子の情報を網羅的に表したもの。ゲノムDNAからの転写産物であるRNAの総体を指す。細胞のRNAの塩基配列を網羅的に読み取ることで取得される。 ニュースリリース参照 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20220222_01web_profiling.pdf |