2022年02月25日
日本ゼオンの「光伝送装置の小型化」NEDOが採択
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:日本ゼオン

 日本ゼオンは25日、NEDOが公募した「グリーンイノベーション基金事業」に対して同社が提案した「光に適合したチップ等の高性能化・省エネ化 不揮発メモリ開発」が採択されたため、カーボンナノチューブ技術を活用してメモリ開発の社会実装化をめざすと発表した。

 グリーンイノベーション基金事業は、「2050 年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」という国の目標達成に向けて、エネルギー・産業部門の構造転換や、大胆なイノベーションの加速を目指して、経産省が設置した開発制度。企業等に対して10年間、研究開発・実証から社会実装までを継続して支援が行われる。

 現在、世界のデータ量は年間約 30%のペースで増加しており、それに伴いデータセンターサーバの市場規模は拡大の一途を辿っている。今後、データセンター全体の電力消費量も増加が予想され、これまでの技術進化では、電力消費量の増加に追いつかないと予想されている。また、電力消費量の削減が社会課題となる中で、常に給電が必要な揮発メモリ(=DRAM)の代替として、給電を停止しても記憶内容が失われない不揮発メモリが注目されているが、DRAM に匹敵する高速動作特性の克服が課題となっていた。

 日本ゼオンは今回、独自のカーボンナノチューブ(CNT)の連技術を活用し、低消費電力化、大容量化やコストの面で DRAM 代替が可能な「CNT を用いた不揮発メモリ(=NRAM)」実用化技術を確立する方針。2030 年代に NRAMを社会実装することを目指す。

ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1645766404.pdf