2022年03月02日 |
東北大・東芝、少ないレアアース量のポンド磁石開発 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東芝 |
東北大学と東芝は1日、半分の少ないレアアース量でネオジムボンド磁石と同等の磁力を持つサマリウム鉄系等方性ボンド磁石を開発したと発表した。 車載用等の小型モーター向けに、性能は現在と同等で、より継続的に生産を続けられ、さらに安価に生産できる可能性のある、新しい等方性ボンド磁石を開発した。磁石素材の主成分であるレアアースを、今後調達が懸念されるネオジムから、余剰が見込まれるサマリウムに変えた。素材に含まれるレアアース含有量を約半分に減らしても同等の磁力を出せることを確認した。 現在主流のネオジム磁石を使用した場合と同等のエネルギーロスの少ない高効率モーターの実現が見込め、カーボンニュートラル社会への貢献が期待できる。 この磁石は、ネオジムを採掘する際に副産物として生まれ、余剰資源となっているサマリウムを使用している。磁石には、ボンド磁石のほかに、大型モーターに主に使用される焼結磁石があるが、両磁石とも材料として高磁力を可能にするネオジムが圧倒的に多く使用されている。ネオジムもサマリウムもレアアースの一種だが、副産物であるサマリウムを有効活用することで資源リスクを回避し、各種モーターのサプライチェーンの強靭化に貢献できる。 東北大学と東芝は、今後、磁石メーカーと連携して、量産化に向けた製造技術およびモーター製品への適用に向けた開発を進める。 なお、同技術の開発はNEDOの「部素材の代替・使用量削減に資する技術開発・実証事業」による成果。東北大学と東芝は研究成果の詳細を3月16日に日本金属学会春期講演大会で発表する。 ニュースリリース参照 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20220224_02web_rare.pdf |