2022年03月04日
東北大など、自然界にないイソプレノイド合成成功
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 東北大学、金沢大学、理化学研究所、住友ゴム工業による共同研究グループは3日、自然界に存在しないイソプレノイドの合成に成功したと発表した。高分子の合成に重要なイソプレノイド重合酵素の結晶構造と重合反応の制御機構を解明した。

 イソプレノイドと総称される天然化合物は、生体防御に関わる低分子化合物から分子量100万以上の天然ゴムに至るまで、全て炭素数5の基本構造を有する化合物が重合され生合成されている。しかし、それらを合成する酵素がどのように重合度を制御しているかはほとんど未解明だった。

 東北大学大学院工学研究科の高橋征司准教授、金沢大学理工研究域の山下哲准教授、理化学研究所放射光科学研究センター、住友ゴム工業による共同研究グループはこのほど、トマトの生体防御物質前駆体であるネリル二リン酸(重合度2)を合成する重合酵素(NDPS1)の結晶構造を決定し、それをもとに重合反応の制御機構を解明した。
 
 また、酵素の構造を改変し、より長鎖(重合度14)の自然界には存在しないイソプレノイドを合成することにも成功した。今回の成果によって新規バイオポリマー合成酵素のデザインが可能となり、新たな発展につながると期待できる。
 同研究の成果は、生命科学分野の国際誌「The FEBS Journal」2月8日付にオンライン公開された。

ニュースリリース参照
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20220303_02web_polymer.pdf