2022年03月04日
黒潮と親潮をつなぐ北太平洋の海水の流れ可視化
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:北海道大学

 北海道大学、東京大学、海洋研究開発機構の研究グループは3日、黒潮と親潮をつなぐ北太平洋の海水輸送過程の可視化に成功したと発表した。亜熱帯循環と亜寒帯循環の境界である「北太平洋移行領域」の形成過程を漂流型の海洋気象ブイや海流の仮想粒子追跡手法を用いて解明した。

 日本の東側の北緯40度付近に帯状に広がる北太平洋移行領域は,黒潮と親潮の水が混ざり合った特徴的な水塊が形成される海域で、亜寒帯海域にもかかわらず比較的暖かく栄養が豊富、海洋生態系にとって好環境で、漁場も形成される豊かな海として知られる。この海域での海面水温変動は、中緯度の大気循環に大きく影響することもわかってきた。だが、移行領域での黒潮・親潮水の挙動はこれまで十分に理解されてはいなかった。
 
 今回研究では、黒潮水・親潮水が移行領域の中を海底地形に対応した流れによって輸送・滞留する様子を可視化し、移行領域の形成過程を解明した。また、移行領域へ黒潮水が供給されるためには、流れの時間変動成分(=渦)が重要な役割を果たしていることを明らかにした。
なお、同研究成果は「Progress in Oceanography」(21年10月18日)にオンライン掲載された。

ニュースリリース参照
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/220303_pr2.pdf