2022年03月04日 |
京大CiRA、アルツハイマー病に影響与える代謝物同定 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:京都大学 |
京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の近藤孝之特定拠点講師、理化学研究所バイオリソース研究センター(BRC)の井上治久教授、日本マイクロバイオファーマ社らの研究チームは3日、日本の土壌に由来する微生物叢から抽出・精製した代謝物ライブラリと、アルツハイマー病(AD)患者由来のiPS細胞から調製した神経細胞を用いて、神経細胞のアミロイドβ(Aβ)の産生動態に与える影響を評価し、土壌微生物とアルツハイマー病の関係を明らかにしたと発表した。 Aβ産生動態を変化させる代謝物として、ミロテキウム属の真菌が産生するベルカリンAと、ストレプトマイセス属の細菌が産生するMer-A2026Aを同定した。 このように、微生物由来の代謝物ライブラリとiPS細胞技術を組み合わせることで、従来直接的に評価することが困難だった微生物叢と脳神経系の関連性を検証し、将来的なADのリスク因子探索や新たな微生物創薬につなげることを可能にした。 この手法を用いて、微生物叢が神経細胞の病態に与える影響を直接的に調べることで、微生物叢の疾患への影響評価や、新たな微生物創薬研究につながると考えられる。 本研究成果は3月2日、英国科学雑誌「Scientific Reports」にオンライン公開された。 ニュースリリース参照 https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/news/220302-190000.html |