2022年03月11日
富士フィルム「アビガン錠」第3相試験 組み入れ終了
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:富士フイルム

 富士フイルム富山化学は11日、抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠」(一般名:ファビピラビル)について、現在実施している、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者を対象とした国内臨床第3相試験の被験者の組入れを本年3月末に終了すると発表した。

 現在進行中の国内臨床第3相試験は、新型コロナ患者に対する「アビガン」の重症化抑制効果の確認を目的として、2021年 4月に被験者の組入れを開始した。今回、従来株と比べて重症化率が低いオミクロン株が流行し、最近本治験に組入れられた患者のほとんどがオミクロン株感染者であると推定される中、現在の治験プロトコルで試験を継続しても、「アビガン」の重症化抑制効果の検証が困難なことや、プラセボを用いた試験継続は被験者の利益に繋がらないなどから、本試験への新たな被験者の組入れ終了を決めた。

 富士フィルムは2020年4月、富士フィルム和光純薬で中間体の生産設備を増強し、原料メーカーなど国内外の企業と連携して同年9月には約30万人分/月の「アビガン」生産を実現すると発表していた。

 今後、組入れた患者の治験データについては、治験プロトコルに従い解析を進めていく方針だ。
 なお、これまでに同試験で、治験薬との因果関係が否定できない重篤な有害事象は確認されていない。
 
ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1646980269.pdf