2022年03月17日
九工大など、Al-Ti合金で高温超伝導状態を創出
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:九州大学


 九州工業大学工学部の美藤正樹教授らの九州工大と九州大学の研究グループはこのほど、代表的な軽金属元素であるアルミニウム(Al)とチタン(Ti)、マグネシウム(Mg)の三元合金系で、従来よりも高い超伝導転移温度(超伝導になる温度)を有する超伝導状態を創出することに成功したと発表した。

 これまでAl-Ti-Mgの三元系では、超伝導転移温度が1.7Kを超える超伝導状態は見つかっていなかったが、今回、機械学習による予測と「巨大ひずみ加工プロセス」と呼ばれる物質合成手法を用いることで、7Kを超える超伝導転移温度を実現した。

 超伝導材料を実用化する上では超伝導転移温度が高いことに加えて、線材化の容易さや軽量であることや安価であることがポイントで、これまで注目されなかった合金分野で、安価で線材化が容易な軽量超伝導材料の発展に寄与すると期待される。
 同研究成果は3月11日、米国応用物理学会の学術誌「Journal of Applied Physics」に掲載された。

<用語の解説> 
◆ 巨大ひずみ加工 :金属などの結晶中に大量の格子欠陥(ひずみ)を変形・加工で導入し、物質の内部エネルギー高めるプロセス。バルク状試料では組織の超微細化とともに、異種の粉末原料を混ぜ合わせた固化成形や合成が可能となる。
 
 ニュースリリース参照
 https://www.kyushu-u.ac.jp/f/47168/22_03_14_01.pdf