2022年03月22日 |
理研、植物の細胞分裂期の代謝物質を解明 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:理化学研究所 |
理化学研究所環境資源科学研究センターの大窪(栗原)恵美子研究員らの研究チームは18日、植物細胞の有糸分裂期のサブフェーズ(前期・中期・後期・終期)における細胞内代謝物質の変動を1細胞レベルで明らかにしたと発表した。 本研究成果は、「細胞板」の挿入を伴う植物細胞の有糸分裂メカニズムの解明に貢献するだけでなく、植物バイオマスに有用な技術の創出に寄与すると期待できる。 有糸分裂における細胞を構成する代謝物質の情報が分かれば、分裂期の進行や細胞板の挿入メカニズムに重要な因子が明らかになると期待されているが、有糸分裂期の各サブフェーズに対応する細胞内代謝物質の組成は不明だった。 今回、研究チームは、染色体を可視化したタバコ培養細胞を用いて、有糸分裂期の植物1細胞メタボローム解析の手法を確立し、有糸分裂期における細胞内代謝物の変動を明らかにすることに成功した。 本研究は、3月18日付の科学雑誌「Plant Physiology」オンライン版に掲載された。 <用語の解説> ◆細胞板 :植物細胞の有糸分裂の後に起こる細胞質分裂において、分かれた娘細胞の間に形成する新しい細胞壁の構造体。細胞分裂後期には、細胞板に物資を運んだり、細胞板の発達を支えるフラグモプラスト(隔膜形成体)が形成されたりする。その中央部分から細胞板は出現し(有糸分裂終期)、フラグモプラストと協調しながら広がるように発達し、細胞質分裂時にフラグモプラストの消失とともに、元からある細胞壁と融合し細胞を2分する。 ニュースリリース参照 https://www.riken.jp/press/2022/20220318_1/index.html |