2022年03月23日
宇部興産、がん治療薬で米国ベンチャーにライセンス
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:宇部興産

 宇部興産と米国がんゲノム医療の Kirilys Therapeutics, Inc.(本社:米国カリフォルニア州サンフランシスコ)の両社は23日、宇部興産が創出した CDK7 阻害薬 KRLS-017 について、全世界における独占的ライセンスをベンチャーキャピタルであるキャタリスパシフィックが設立した Kirilys 社に供与することに合意したと発表した。

 KRLS-017 は、可逆的 Cyclin Dependent Kinase 7 (CDK7) 選択的阻害薬(低分子化合物)。CDK7 は、腫瘍における転写依存と細胞周期調節異常の両方の重要な調節因子として関与しているため、広範囲の固形腫瘍および血液悪性腫瘍に対する治療的介入の魅力的な標的となる。KRLS-017 は、前臨床試験でクラス最高の効力、選択性、および抗腫瘍効果に加えて、経口薬として非常に好ましい特性を示しているため、抗腫瘍薬としてアンメットメディカルニーズの高い疾患の治療に大きく寄与できることが期待されている。
同契約により、Kirilys 社は KRLS-017 に関して、今後の開発、製造及び販売に関する権利を獲得する。

【舩山陽一・宇部興産執行役員医薬事業部長の話】
「当社は、アンメットメディカルニーズの高い疾患の治療について、より多くの治療選択肢が提供されることを目指して日々創薬に取り組んでいる。抗腫瘍薬の領域はアンメットメディカルニーズの高い領域の一つであり、KRLS-017 がこの領域における新たな治療選択肢の一つとして寄与できることを大いに期待している。また今回、抗腫瘍薬開発に対して高い専門性と豊富な経験を有すメンバーから設立された Kirilys 社が KRLS-017 の開発に関与することにより、その可能性が一層高まると信じている」

ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1648016806.pdf