2022年03月24日
北大、細胞移植加速のミトコンドリア活性化細胞を製造
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:北海道大学

 北海道大学薬学研究院の山田勇磨准教授らの研究グループは23日、ミトコンドリアが活性化された移植用細胞(MITO cell)の製造に成功し、心筋虚血再灌流モデルマウスを用いた細胞移植療法の検証実験で、「ミトコンドリア活性化細胞(MITO cell)」が心疾患を対象とした細胞移植療法で良好な治療成績を示すことを確認したと発表した。

 MITO cellはミトコンドリア型ナノカプセルを用いて心筋前駆細胞のミトコンドリアに機能性分子を送達し製造する。心筋虚血再灌流モデルマウスを作成しMITO cellを用いた細胞移植の治療効果を評価した結果、MITO cell移植群において、ミトコンドリア機能の亢進、心機能の改善、心筋組織の線維化を抑制する治療効果が観察できた。これらの治療効果は、従来の細胞移植療法の効果を大幅に上回る。

 MITO cellを移植細胞として用いることで細胞移植の課題点を解決する可能性があり、心不全を含む心疾患治療への応用が期待される。さらに適応臓器・疾患を拡張することで、細胞移植療法の臨床応用を飛躍的に加速させることが期待できる。同研究成果は3月22日公開の「Scientific Reports」誌にオンライン掲載された。
  
ニュースリリース参照
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/220323_pr.pdf