2022年03月24日

東レ、高い復元性と耐熱性の伸縮性フィルム開発

【カテゴリー】：新製品/新技術 【関連企業・団体】：東レ

東レは24日、高い復元性と耐熱性を有する伸縮性フィルム「REACTIS(リアクティス)」の技術を深化し、抵抗値安定性に優れる回路実装を実現する新たな伸縮性フィルムを創出したと発表した。 　今後、ストレッチャブルデバイスの回路基板として、医療・ヘルスケア用生体センサーをはじめ、産業用センサーやロボットなどの幅広い用途への展開が期待できる。すでにユーザーへのサンプル提供を始めており、早期実用化を目指して研究・技術開発を急ぐ方針だ。 　同社の伸縮性フィルム「REACTIS」は、架橋成分と伸縮成分を組み合わせた独自のポリマー構造設計と製膜技術により、高い柔軟性とー20℃～80℃の広い温度環境下での優れた復元性、200℃の高温処理でも変形しない耐熱性が評価され、これまで工業用製品に多く採用されてきた。 　今回、新たにポリマー設計技術と表面設計技術をさらに深化させ、高い復元性と耐熱性を保持しつつ、抵抗値安定性に優れる回路実装を実現した「REACTIS」の新グレードを開発した。 　 　従来の伸縮性導電材料を組み合わせることで、回路の伸び縮みや、ねじれ変形、3D曲面への追従が可能になり、回路伸縮時の抵抗値上昇を従来技術と比較して半減することに成功した。 　 　また、高湿熱環境下(85℃、85％RH)で1000時間保管する試験で、回路形状の維持と抵抗値の安定性についても確認した。同技術をストレッチャブルデバイスの回路基板へ適用することで、装着時の動きに追従し、広い温度環境下や繰り返し使用時の安定した機能の発現が期待できる。今後、伸縮センサーや、ロボティクス分野における触し覚センサーなど、健康、医療などさまざまな用途に向け展開していく方針だ。