2022年03月25日 |
名大、赤錆の光触媒作用で水素と過酸化水素を同時製造 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:名古屋大学 |
名古屋大学未来材料・システム研究所の武藤俊介教授は24日、神戸大学、高輝度光科学研究センターなどとの共同研究により、赤錆(ヘマタイト)の光触媒作用によって、太陽光と水から水素ガスと有用化成品の過酸化水素を同時製造することに成功したと発表した。 脱炭素社会の実現に向け、太陽光エネルギーを利用したCO2フリー水素の製造が注目されている。 光触媒作用による太陽光水分解によって、水素とともに健康や食料生産に資する有用な化成品を同時に製造できれば、より高付加価値な太陽光水素利活用システムの開発につながる。 今回、研究チームは、安全・安価・安定で、可視光を幅広く吸収できるヘマタイトのメソ結晶に異種金属イオンをドーピングし電極化することで、水素とともに、消毒・漂白・土壌改質等で用いられる過酸化水素を製造することを見出した。 今後は実用化を目指し、開発した光触媒電極をさらに高効率化するとともに、社会実装への取り掛かりとして、セルを構成し小型モジュール化を図っていく方針。さらにに同技術を様々な材料や反応系に展開していく予定だ。 本研究成果は3月23日、英国「Nature Communications」オンラインで公開された。 <用語の解説> ◆ヘマタイトとは :酸化鉄の1つ(α-Fe2O3)。ヘマタイトは安全・安価・安定であるとともに、広域の可視光(約600ナノメートル以下)を吸収できる。 ニュースリリース参照 https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/2022/03/post-230.html |