2022年03月29日 |
広島大・新潟大、感染が全身に拡がるメカニズム解明 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:広島大学 |
広島大学 環境遺伝生態学の西内由紀子特任准教授と、新潟大学大学院 医歯学総合研究科の松本壮吉教授らのグループは28日、結核菌や非結核性抗酸菌が赤血球に接着して細胞外で増殖することを発見したと発表した。 結核や MAC 症(非結核性抗酸菌症)を引き起こす病原性マイコバクテリアが赤血球に接着して細胞外で活発に増殖することを初めて明らかにした。 全身に感染¥が拡がるメカニズムの解明と、新薬開発につながる可能性がある。 今まで病原性マイコバクテリアは、マクロファージに感染してその細胞内で増える細胞内寄生菌として知られていた。 感染が進行した病巣でみられる多くの細胞外マイコバクテリアは、赤血球を利用して細胞の外で盛んに増殖した結果と考えられる。細胞外増殖は結核や肺MAC 症の悪化や感染の拡がりに関わっていると思われる。 赤血球を利用した細胞外増殖のメカニズムが明らかになれば、マイコバクテリア感染症の進行、全身播種、貧血や潜伏感染など、今まで解明できなかった病気のメカニズムを明らかにする端緒になる。これらが明らかになれば、新たな治療法の開発につながる。 今まで未解明だった全身に感染が拡がるメカニズムなどの病原性や免疫システムについて新たな知見がうまれる礎になると期待できる。 本研究成果は、3月16日に科学誌「Microbiology Spectrum」にオンライン掲載された。 ニュースリリース参照 https://www.hiroshima-u.ac.jp/system/files/182169/220328_pr02.pdf |