2022年03月29日
トクヤマ、セメント製造プラントにCO回収装置 実証開始
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:トクヤマ

 トクヤマは29日、三菱重工エンジニアリング(本社:横浜市西区、寺沢賢二社長)との間で、セメント製造時に排出されるCO2 の回収技術を検証するため、共同実証試験のを実施することで合意し、覚書(MOU)締結したと発表した。

 セメントの製造には、石灰石( 炭酸カルシウム、CaCO3 )を原料として使用するため、工業プロセス上 CO2 の排出が避けらない。当社においても原料由来の排出量は、年間約180万トン(GHG排出量)に上る。

 三菱重工エンジとの今回の共同実証試験は、実施期間が2022年6月から9か月間の予定。トクヤマの徳山製造所南陽工場のセメント製造部に、三菱重工 独自の CO2 回収装置をセメントプラントを設置し、排ガスから CO2 の回収を行う。長期連続運転の信頼性評価を行うとともに、回収した CO2ガス内の不純物などのデータを分析し、セメント工場における最適な CO2回収技術の適用性を検証する。

 三菱重工エンジニアリングは、CO2 回収技術では世界有数の企業で、火力発電所等に多くの商用実績を有するほか、バイオマス発電所やごみ焼却設備向けの実証試験にも取り組んでいる。トクヤマは、同社との共同試験により、セメント産業の課題である CO2 の回収技術の実装化を目指す。なお、トクヤマは現行中計で地球温暖化防止への貢献を重要課題として位置づけ、2050年度カーボンニュートラル実現に向けた取り組みを進めている。
 
ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1648524707.pdf