2022年04月07日
金沢大など、複眼のタイルパターン/メカ解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:富山大学

 金沢大学、北海道大学、富山大学、サレジオ工業高等専門学校の共同研究グループは7日、ショウジョウバエの複眼を用いて、生物のタイルパターンが制御される仕組みを解明したと発表した。
 
 同じ形状が隙間なく敷き詰められたタイルパターンは、昆虫の複眼やハチの巣などに見られ、6角形のタイルパターンが一般的となっている。これは6角形タイルが構造的に頑強で、各タイルの周長が短く、空間充填度が高いという物理的特性によると考えられていた。

 だが、エビやロブスターの複眼は4角形タイルパターンだ。ハエの複眼も通常は6角形タイルパターンだが、ある種の変異体では4角形に変化する。これらのことから、物理的な安定性のみに従ってタイルパターンが制御されているわけではないと考えられる。

 本研究では、物理的制約に加えて、幾何学的な分割機構に従って複眼のタイルパターンが制御されることを明らかにした。複眼が小さい変異体では複眼全体が背腹方向に伸長することによって、複眼を構成する個眼の位置関係が変化し、これにこれに伴って6角形タイルが4角形タイルに変化する。個眼の規則的な分布と個眼の成長の組み合わせによって複眼のタイルパターンが決定することがわかった。
 本研究成果は4月6日付の米国科学誌「Current Biology」オンライン版に掲載予定。
 
ニュースリリース参照
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/220407_pr.pdf