2022年04月11日 |
京大、深海底からウミナナフシの新種を発見 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:京都大学 |
京都大学の下村通誉フィールド科学教育研究センター准教授らの研究グループは8日、三重県沖の深海底からウミナナフシの新属新種を発見したと発表した。 ウミナナフシは、ワラジムシやダイオウグソクムシなどが含まれる等(とう)脚目というグループの一員で、一部の淡水性・汽水性種を除き海域に生息している。日本近海からはこれまで12属42種が報告されているが、深海性種の研究は非常に限られていた。 今回、研究船淡青丸の航海中に三重県沖の水深805~852mから採集されたウミナナフシの1種について詳細な観察を行ったところ、既存の属のいずれにも該当しない特徴を有する未知の種であることが明らかになったため、新属新種Deltanthura(デルタンツラ) palpus(パルプス)(和名:サンカク アシタラズ ウミナナフシ)として報告した。 深海底に潜む小型生物の多様性については、採集の難しさに加え、これらの生物の専門家が多くないことから特に理解が遅れている。しかし豊かな地球の生態系を守っていくためには、あまりヒトの目に触れることのない深海生物を含めた総合的な生物多様性の理解が欠かせない。今後の研究が強く望まれる。同研究成果は3月31日に「Zoosystematics and Evolution」誌にオンライン公開された。 ニュースリリース参照 https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2022-04/shimomura-d57fd5c9cf2879020a133eee34b4cc54.pdf |